シナモンの選び方

シナモンを選ぶとき、値段や「カラダによさそう」というイメージだけで選んでいませんか?
セイロンとカシア系では、香りも、含まれる「クマリン」の量も違います。選ぶときに確認したいのは、種類・使う量・好きな香り。美容や健康への効果を期待して、たくさん食べる必要はありません。
いつも使っている有機のVOXに加えて、今回はカルディでセイロンシナモンを買ってみました。売り場を見ると、同じシナモンでもずいぶん値段が違う。「何が違うの?」と思った方へ、選び方を紹介します。
シナモンは美容や健康にいい?研究と普段の食べ方を分けて考える
シナモンは、血糖値への影響などが研究されています。ただし、シナモンを食べれば美容や健康の効果が得られる、とは言い切れません。米国国立衛生研究所(NIH)のNCCIHも、糖尿病や減量への有用性は明確になっていないとしています。
東洋医学では、シナモンの仲間の樹皮を使う「桂皮」が、カラダを温める生薬として用いられてきました。こうした伝統的な使い方と、料理に少量加えたときの健康効果は、分けて考えたいところです。
日々の食卓では、まず香りを楽しむスパイスとして取り入れましょう。
セイロンとカシア系の違いは、香りとクマリンの量

シナモンは、大きく「カシア系」と「セイロン」に分けられます。料理に合わせるときの目安は、次のとおりです。
| 種類 | 香りの特徴 | 使い方の例 | クマリン |
|---|---|---|---|
| カシア系 | はっきりしたスパイシーな香り | カレーなど、香りをしっかり効かせたい料理 | セイロンより多い |
| セイロン | 穏やかで繊細な香り | 紅茶やお菓子など、やさしい香りを楽しみたいとき | 少ない |
カシア系をお菓子に使っても、セイロンを料理に使ってもかまいません。用途で厳密に分けず、どんな香りが好きかで選んでください。
クマリンとは?「カラダにいいから」と量を増やさない

クマリンは、シナモンなどの植物に含まれる天然の香り成分です。カシア系に多く含まれ、多量に摂り続けると肝臓に悪影響を及ぼすおそれがあります。セイロンは、このクマリンが少ない種類です。
料理や飲み物の香りづけに、通常の食品として少量使う範囲では、一般に安全とされています。「カラダにいいらしい」と毎日量を増やしたり、健康目的で大量に摂り続けたりする使い方はおすすめしません。
ドイツ連邦リスク評価研究所(BfR)は、家庭で頻繁に多くのシナモンを使う人には、クマリンの少ないセイロンを選ぶよう勧めています。ただし、セイロンを選ぶことと、大量に摂ってよいことは別です。
肝臓に病気がある方は、健康目的で摂り続ける前に主治医に確認してください。
買う前に、パッケージの種類表示を確認

まずは、おうちにあるシナモンの袋や瓶を見てみてください。「セイロンシナモン」と書いてありますか?
粉末のシナモンは、見た目だけでセイロンとカシア系を見分けるのが難しいため、パッケージやメーカーの商品情報で種類を確認するのが確実です。種類が書かれていない場合は、原産国や「有機」の表示だけで決めつけず、販売元に確認してください。
今回の写真では、カルディの商品で、「セイロン」の表示があります。VOXについては、写真の表面だけでは種類を確認できないため、裏面の表示やメーカーの商品情報も確認が必要です。
砂糖を加えない、りんごとシナモンのおやつ

私が好きなのは、くし切りのりんごにレモン汁とシナモンをかけ、電子レンジで加熱するおやつです。
- りんごを洗い、芯を取ってくし切りにする
- 耐熱容器に入れ、レモン汁と少量のシナモンをかける
- 電子レンジで、好みのやわらかさになるまで様子を見ながら加熱する
砂糖を加えなくても、りんごの甘さとシナモンの香りでおいしく楽しめます。赤い皮のりんごを皮付きで使うと、淡いピンクに染まるのも楽しみです。
シナモンは、種類・量・好きな香りで選ぶ

「カラダにいいらしい」だけで選ばず、種類や使う量を確かめて、好きな香りを楽しむ。それが、毎日の食に取り入れるときの選び方です。
次に買うときは、パッケージに書かれた種類にも目を向けてみてください。
食品や調味料の選び方を、毎日の暮らしに
「カラダによさそう」で選んでいた食品も、表示や種類を知ると、自分に合うものを選びやすくなります。
「TabeTabi 食と暮らしレター」では、食品や調味料の選び方、東洋医学の知恵など、おいしく食べて元気に暮らすヒントをお届けしています。食の情報に振り回されず、自分のものさしで選びたい方は、こちらからご登録ください。

食品・調味料の選び方、食と健康の話、旅や暮らしで出会ったおいしいもの。管理栄養士の視点と、実際に見て、味わって、確かめた発見をお届けします。ランチ会や講座のご案内も。
参考資料
- 米国NIH・NCCIH「Cinnamon: Usefulness and Safety」
- ドイツBfR「FAQ on coumarin in cinnamon and other foods」
- 医薬基盤・健康・栄養研究所「薬用植物総合情報データベース:ケイヒ」